本コバブログ:書評「風の港」を読んで

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「風の港」
村山早紀 著
2022年3月10日発売

あらすじ
出会い、別れ、時には疲れた羽根を休める場所――空港。
ささやかな奇跡を優しく描く、新たな人生が始まる空港の物語。

そんな時は待とう、静かに。諦めず。
いい風があなたに吹く日まで。
そこに降り立ち、飛び立つまでのひととき。
旅人たちの人生が交差し、奇跡が起こる。
5篇で構成された連作短編集。

(出版社サイトから抜粋)

春先にバッチリ、当店のコンセプトにもドンピシャ!

素人書評ですが、ブログにて綴ってみます。
ネタバレなしでなるべく「この本読んでみたい!」と
思わせるような表現を心がけたいと思います。
しかも語りすぎず、あっさりしすぎず、
ちょうど良いところを狙って。


この作品はとても読みやすくわかりやすい。
あと春にもってこい。爽やかな気持ちになれます。
上記あらすじから想像通り、
空港が舞台なので、出会いと別れが織りなす物語。
そして風を待つ話。
タイトルがとてもキャッチーで、新しい“何か”をくすぐられる。
疲れた心を少しでも前向きに、そっと背中を押してくれる1冊でした。
読了後、心のモヤモヤの風通しがまさに良くなるのがわかる。
ポカリのように心にスッと染み渡る。浸透率100%物語。

当店のコンセプトは「バイクと出逢うための本屋」ですが、
この小説にはバイクは出てきません。むしろ空港なので飛行機。
でもバイクにも通ずるものが多くあります。
それは旅。そして出会いと別れ。新しい何かを求める心。風。
完全にコンセプトにドンピシャなのです。
ということで何がなんでも仕入れたかった本でして。
サイン本が入手できたのもラッキー。
早速1冊著者ファンの方と旅立たれました。在庫残り1冊!!

全5篇からなる連作短編なのですが、
その登場人物皆が何かしら心にモヤを抱えている方々。
まぁ人なら誰だって何かしら抱えてるわけですが、
それが空港という場所に宿る縁の連鎖によって
心の向く方向を前向きの風に持っていける、そんな話の数々。

モデルは羽田空港だそうで、幼少期転校続きで
空港移動も多かった著者自身の原体験が
色濃く作品に反映されている。
空港内の階段、本屋さん、飲食店、人間観察等、
作中の描写と村山さんの視点とがリンクして
読者と繋がれるような、ファンには嬉しい
著者と繋がれる本とも言えるかもしれません。
(村山さんの本意でなかったらすみません。)

そんなあなたにとっての飛べる風を待つ話。
疲れた心に優しい風が吹き込みます。
新しい芽が出ることを願って、
この本を一発目の書評ブログとさせて頂きました。

当店には同著者の「桜風堂ものがたり」等
他作品も扱ってございますので、
よろしければこの機会にお迎え下さい。


それではこの辺で。

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