本コバブログ:とはずがたり「本屋、ひらく」こぼれ話

「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の
店主がお送りするブログ。
略して“本コバブログ”。

前回更新のGW明けから
約1ヶ月ほどが経ちまして、
東海地方は梅雨真っ只中。
商売としては客足は遠のき、
バイクにも乗りにくい季節、、、
でも一年で唯一紫陽花
魅力際立つ時期でもあるので、
まぁヨシとしましょう笑

今回は、つい先日5/25(木)に発売したばかり、
当店も寄稿させて頂いた、
個人書店を経営する22名が
それぞれに思いを綴った
「本屋、ひらく」について、
少しお話しさせて頂こうかと思います。
本の中では文字数の制限などで、
書ききれなかった思いも
多くありますので、
そんなこぼれ話を少々。
少々と言いつつ
だいぶ長話になりそうな予感。
ゆったりじっくりと
お付き合い頂けますと幸いです。

この本、お近くの本屋等で
見かけた方いらっしゃるかと思います。
当店のお客さん以外では
いったいどんな方々に
この本が渡っているのか、、、
正直まるで想像つきませんで。。。

新しく本屋を始めようとしている方の
バイブルにもなり得るだろうし、
効率化や合理的な商いとしての
お金儲けとは全く異なるビジネス書ともとれ、
働く意義というか、どういう思いで
本屋という小商いの職種を選択し、
日々仕事とどう向き合っているのか、
今の時代を楽しく豊かに生き抜く
一つの"個"の考え方の参考にも
なれていれば尚嬉しい限り。
全然儲からないけど、
自分の思いを大切にかつ、
社会性が育まれる職種かと思います。
日本の大きな社会システムである、
"行き過ぎた資本主義"に依存しない
非効率的でアナログな
まさに"個"を大事にする働き方なのかなと。。。
僕も他書店さんの思いを拝読させて頂いて、
身が引き締まる思いでした。
何か背中を押してくれるような熱量というか
パワーが込められているように感じます。
もちろん、僕も拙文ではありますが、
熱量を込めて書いたつもりです。
何かしらの思いが届きますと幸いです。

当店でもまだまだ扱いますし、
通販サイトにもアップしてます。
最寄りの本屋さんでもよし、
もしよろしければお買い求め
頂けますと報われる思いです。
個人書店全体が潤いますので何卒m(_ _)m

そんなこんなで各個人書店さんの想いが
詰まったこの一冊。

僕自身としては、
当店の開業の思いなどを
大変珍しいコンセプトでもあるので、
精一杯綴らせて頂きました。
・なぜこの店を開いたのか?
・本とバイクの可能性って何?
・どんなラインナップ?
・勝算もないのに脱サラまでしてやる意義とは?
・僕自身の価値観&考え方は?
・どんな本屋になりたいのか?
など
文字数の許す限り表現したつもりです。
でも僕自身は良くも悪くも商売っ気が弱く、
自分に正直になろうとするあまり、
"商売の才"はまるでゼロ。当店の
数字上での成長曲線はまるで描けていません。
商売どころか"ビジネスの才"もゼロです。
その代わりというか何というか、
本屋のもつ
"直接目には見えないパワー"や、
"お金には換算できない人の可能性"に
重きを置いているという、、、
他書店さんも書かれてましたが、
まず商いとして成立させなければ
暮らしていけないし意味がないという
考え方とは反するわけでして。
それこそ当店みたいなお店は
「それってプロじゃなくて
趣味の店じゃん?」とお叱りを
受けるかもしれません。
全くもってごもっともだと思います。
無論、まっとうに本を売りまくって
暮らしていけるに越したことはないけれど、
立地などの条件等、さまざまな準備不足もあるし、
事実として今の10倍は売上がないと、
本屋だけで成立させるのは不可能な状況。
しかもこんな小さな本屋だからこそ、
お客さんの顔が見えていればよいですが、
世間的には人気でも自身としては売りたくない本を、
わざわざ仕入れて渋々売ろうとするのも
何か違うなとも思うわけでして。
(そういうところにも商売の下手さが滲み出てます)
または、少しでも粗利を良くしようと
買い切りで本を仕入れたり等工夫も
必要なのでしょうが、返本できないリスクや
送料負担、後々の支払い先が増える手間もあり、
零細書店としては決して得策とも
言えない事情もありまして、
いろいろと苦悩&模索中な状況。
世間に認知される&地域に根付かせるために
10年単位でとにかく時間のかかることを
やっているんだと長〜〜〜い目で
どっしりと構えることにしています。
開き直りかもしれませんね。
これまた「もっと頑張れよ!」と
お叱りを受けそうですが笑

それでも
まず僕が考えたのは、
あまり制限なく世の中のほぼ全ての出版社から、
"本を幅広く揃えたかったこと"です。
小さな出版社による温かみのある本だったり、
切れ味の鋭い魅力的な本はもちろん、
刊行数の多い大手出版社だって
魅力的な本は数多ある。
コミックだって雑誌だって
当然のように扱いたい。
本屋をはじめる以上、
特定の出版社との直取引からでしか
本を仕入れられない状況は
なるべく避けたかったのです。

そのためには大手卸業社、
本屋業界でいう、"大手取次"との
契約が結べるかが大きなポイントでした。
一般書店ですらこのハードルは高いのに、
こんな零細本屋がこの関門を
クリアできているだけでも
奇跡的なことだと自身でも驚いています。
聞くところによれば
一般書店の閉店が相次ぐ中、
個人書店の開業は増えているらしく、
それこそ月に1店舗ずつと言われるほど。
まさに本屋インディーズ時代なわけですが、
そんな個人書店の中でも
大取次と契約を結べないお店が
圧倒的多数なわけで、
店舗条件も悪いし、
経験も人脈もコネもない
当店がよく審査通ったなぁと
改めて、つくづく、しみじみと思うのです。
そのぶん、売上の少なさゆえ、
いつ契約切られるかに
ビクビクしているわけですが、、、

売上が立っているかは置いておいても、
自称だとしても、
引け目を少しは感じつつも、
気持ちとしては堂々と、
「自立した本屋」の程は
名乗ってもよいのかなと思っております。

「本屋、ひらく」では
書店が売上を立てるために
日々様々な工夫をしているという
くだりもありながら、基本的には
どの書店さんも自身の店の"選書"は
とても丁寧に、コツコツと、
目の前のお客さん一人一人を相手に
思いを込めていらっしゃるというのが
総じて伝わってくる一冊だと感じました。
とにかく地味だけど丁寧、そして楽しそう、
個人書店はそんな印象を受ける
職種ということかもしれません。

ただ一つ、気に留めてほしいのは、
個人書店を経営している皆さんの多くは
本が好きなのは前提なんだけれども
本が好きだから"本屋"をやっている
わけではないということ。これホント重要です!
そんな短絡的かつ表面的な理由でやるには
リスクが大きすぎるし、
そんな思いだけなら本屋開業はオススメしません。
消費者側で十分だと思います。
本当に、マジで、1ミリも、全く儲からないし
生活を切り詰めてまでやる、
その意義というか、
大義名分のような志や覚悟がないと
絶対に成立しないし、
長続きしません。
もしこの本を読んで
「あっ本屋いいかも。やってみよー」と
思う方がいらっしゃるならば、
本屋が増えるという喜びは一旦置いといて、
まずは少なくとも
「あなたの本屋開業の思いはなんですか?」
と自問自答してみて欲しい。
そしてその答えを熟考した自身の言葉で
言語化してみることをオススメします。
まずは言語化(伝えようとする努力)できないと
やる意味がないとさえ僕は思っています。

話を戻しまして、

文字数やテーマの制限上、
僕がこの本に書ききれなかった思いがあります。
・現日本のバイク文化に対する疑問や懸念点
・実店舗で本と向き合うことの意義
・本とバイクに対して何を見い出そうとしているか
・バイクとの出合いを促すことで何がしたいのか
などなど
さすがにこの域までいくと
この本のテーマを外れて、
個人書店の話を飛び越えて、
バイクや人の未来にまで
発展しそうだったので、
当然のごとく
自分でもカットすべきだと思いましたし、
元原稿にチェックを入れてもらう段階で、
カットされてる部分も多く、
だいぶ主観の入った"クセ強"メッセージが
実際にカットされてます笑

かといって
このブログで全て吐き出すには
どれだけの長文になるか未知数なので、
改めて当店に込めたメッセージというか、
ポイントを少し補足していく感じで
こぼれ話をしたいと思います。

改めまして、
当店は「バイクと出逢うための本屋」
というのがコンセプトで、
バイクを知らない人たちに向けて
バイクとどう出逢うかの背中を
そっと押してあげられるような本屋です。
"主体性や自分と向き合う場所"として
機能させたいというのが当店の本懐です。
決してバイク好きによる、同志たちの
集いの場にしたくはないということ、
各々ライダーがバラバラに集まっちゃって
自然と多くなるのは全然問題ないのですが、
ライダーの集団がたむろするような
場所では決してありません。
すでにバイクと出逢っている方々も、
あくまで個人個人が本と向き合って
欲しい場所だということです。
禁煙だし、お店前の陣取り&
座り込みも勿論禁止。
平気でそれをする輩がまだおりまして。
まだまだライダーたちによる
ガラの悪い行動は目立つのです。
海外では全然気になりませんが、
日本だと特に悪目立ちするということを
気に留めて頂きたいと強く思います。
一般の方々がそういう行動を見て、
・そんな店に来たいと思うのか?
・バイクに乗りたいと思うのか?
・そもそもカッコイイのか?
・バイクの社会的価値が上がるのか?
ライダー各々が想像する力を持って欲しい。
幸い当店にご来店頂くライダーの多くは
素敵な方々なので、僕としては
とても嬉しくありがたい限り。
少なくとも僕だけは本気で、日本のバイクの
社会的地位を少しでも上げたいと思っています。
そしてそれはエキサイティングな方向ではなく、
"日常の深み"を感じられる文化的な乗り物として
まず認識されるようになるべきという考え方。
バイクはどうしてもワイルドやメカや
モータースポーツのほうに
大衆は引っ張られてしまいがち。
あたかもそうすることが正義かのように。
あくまでもそれは楽しみ方の一つであって、
"入り口"や"型"ではないと僕は思います。
時代も変わってるんです。
いつまでも80年代のバイクブームを
引きずっているわけにはいかない。
誰が一番速いとか、
誰が一番ワイルドかとか、
誰が一番メカに詳しいかとか、
誰が一番バカかとか、
誰が一番無茶してきたかとか、
ナメられないようにとか、
欧米に追いつけ追い越せとか、、、
競い合ったり威張ったり
昭和男たちの自慢話や武勇伝なんて
この令和の時代では
心底どうでもいいのです。
バイクを楽しむのに、先入観というか、
一つの"型"が固定されたまま
今に至っているのが、
日本のバイク文化が育たない
原因の一つではないかと
僕の視点では捉えています。
移動の楽しみ、不便の良さ、
日常の機微に気づける感受性、
美しいものに敏感になったり、
さまざまな好奇心に気づける力、
それら全てがバイクには詰まってる。
自身の内面と向き合う大切な時間が
バイクには詰まってるのです。
そしてもちろん
あれだけの人の技術や叡智が詰まった
機械でできた巨体と一体となり
操る楽しみは唯一無二。
(そんなものは他にこの世に存在しません。
まさにバイクだけだと僕は思っています。)
決して外に向けてドヤったり、競ったり
威張るためのものではない。
"本をきっかけにする"というのは、
バイクへの先入観を一度取っ払って
無垢な状態でバイクと出逢うために最適な扉だと
僕が思ったから、本屋というカタチで
発信拠点として構えたわけなのです。
この考え方そのものが
まだまだマイノリティだと感じますし、
何なら多くのライダーは
考えもしないことかもしれませんね。
昭和の時代からこの固定化された
"バイクに乗る型"
"カッコいい姿像の型"
"こう乗らなきゃいけない型"
をぶち壊したい。
僕はこの小さな本屋を通して
微力ながら一生伝え続けたいし、
伝え続ける必要があると強く思っています。
そのためにわざわざ大きなリスクを
取って脱サラしたのですから。
それが結果的に日本人そのものの感性を
育てることになるとさえ
信じているのです。


さて、話は少し変わりまして、
日々まだまだ新規のお客さんが多い中、
当店が"本屋"だと
全然認知されていないという現状を
先日痛感しまして、
カフェや珈琲屋的な扱いをされることが
かなり多くあります。
これについては小さな発信力ではありますが、
何度も何度も言い続けるしかないですね。。。

当店は小さいですが、
「総合書店」です!!
「一般書店」です!!
小さいから選書は絞らざるを得ませんが、
雑誌もコミックもご注文も扱える
「フツーの本屋」なのです!!

※カフェや珈琲屋を名乗るつもりは一切ありません。

そんな新規のお客さんが
決まって言うセリフがありまして、
「俺本読まないけどなぁ〜」と。
ご来店頂くことには感謝しつつも、
やはり”何をしに当店に来たのか?"という
疑問が拭えませんで。
せめて本と向き合う姿勢を大切にして頂きたい。
何か発見があるかもしれませんよ?
最初から本に興味ないと本屋にご来店されても
それこそ「俺サッカーやらないのになぁ〜」と
言いながらグラウンドに来るようなもの。
そう考えるとせっかく本屋に
お立ち寄り頂いたにも関わらず
"ヘンだなぁ"とモヤモヤするのです。
まぁそれも
当店のPRが足りてないからとも言えるし、
別に珈琲飲みに来るだけでもいいじゃないか
という意見もあるでしょう。
僕がわがままなだけなのかもしれません。
つまり僕は商売が下手ということなんです。
でもやはりわざわざ大きなリスクを
取って脱サラしただけに、
自分に嘘はつきたくない。
自分に正直に立ち続けることにも意味があると
思っているから「当店は"本屋"である」と主張して
立ち続けることにしました。
これもつくづく自分が不器用かつ、
商売人に向いてないなぁと感じるところです。


話を戻しまして、
「本屋、ひらく」以外でも
いくつかのメディアやブログにて
本とバイクの魅力や
なぜ本屋か?という内容で
書かせてもらっていますが、
今回新たに
以下のようにまとめてみました。

「本屋×バイクは
自分の感性を磨けて、
自分の感性を使って、
主体的に物事を選択できる力を
培うことのできる、
静と動が合わさった
抜群のマリアージュをもつ
最高の体験型
エンターテインメントであり、

無駄の塊だ!」

そう思うからこそ、
それを伝えたいと、
それを伝える場所をつくりたいと、
思ったから"本屋"なのです。

本を通してバイクと出逢ってほしいし、
バイクを通して本と出合ってほしい。

その先、僕の根源的欲求には、
「人の感情が動く瞬間に立ち会ってみたい」

何かのスイッチが入る瞬間って、
ものすごいパワーと可能性を感じるのですが、
それが社会を変えるかもしれない、
それが日本を変えるかもしれない、
それが世界を変えるかもしれない、
もちろん、
失敗するかもしれない、
誰からも理解されないかもしれない、
挫折するかもしれない、、、

でも未来が拓けるのは、
自分を信じて足掻いた者だけだと
強く思うのです。
足掻いている限り失敗はありません。
僕はその可能性の火が着く瞬間に
立ち会うこと、
立ち会うことができることに、
この上ない喜びを感じる人間のようです。
そしてそういう出逢いの可能性が多く
詰まってるのが"本屋"だと思うのです。
本屋とバイクを通して
この掛川という地方から、
世界的に活躍するような何かしらの人が
出てくる可能性を信じていますし、
世界でなくとも
ある特定の国でもよし、
この日本でもよし、
静岡県でもよし、
この不透明な世の中を前向きに
歩ける人を育みたいのです。
こんな地方の零細本屋を通して
人の可能性に、僕の人生を
賭けてみたいと思いました。

今の日本に対して
未来の可能性を感じなかったり、
不安、窮屈さ、生きづらさ、絶望感、
放っておくとそういった感情に
押しつぶされそうになるほど、
日本の現状は危機的です。
そしてそれらの感情や情報は
受け身だけでは何も解決せず、
ますます心が荒んでいくだけ。
増税だとか、軍事費だとか、
少子化だとか、補助金だとか、、、
さまざまな表面的な数字は
ますます不安を煽るだけで、
これまた何の根本的解決にもならない。
少しでも向上心を持ったり
前向きになろうとするためには
人一人一人の心の問題が大きいと
僕は考えてまして、
いちいち一喜一憂している場合ではなく、
我々個人個人が理想を主張することと、
自身で選択し、自身が何かしらの
生きる楽しみを見出すことこそが
この現代日本を豊かに生き抜く
最優先事項だと思っています。

"好奇心・主体性・リラックス"
今の日本、日本人そのものに
欠けているのは
この3要素ではないでしょうか。
幸いにもその全てを担えるのも
"本屋""バイク"だと僕は思うのです。
そして大きく言えば、
僕は当店を通して
「日本人一人一人の
感性を底上げしたい」
わけなのです。
資本主義社会による
競争や優劣、スピード感、
数字上での成長、、、
経済を回す上では
大事かもしれませんが、
そんなものは
"人が人らしくいるための豊かさ"とは
全く関係なく、
全く重要ではないと思います。


一方で、
僕個人が当店を通して探りたい
もう一つ根源的なテーマもあります。

「美しさはどこに宿るのか?」

個人的にはそれを探るための
お店でもありまして、
ここまでの流れから、
本屋とバイクを通した体験に美しさが宿る、
その体験を重ねた人間に美しさが宿る、
ということになるかと思います。
僕が見い出そうとしている、
"本とバイクが人に寄与する可能性"
これが美しいだろうという仮説なのですが、
人がどう育つかまでは
誰もコントロールできないし、
全く想像も創造もできない領域。
僕もあくまで仮説でしかありませんで、
この店を続けた先、予期せぬ・未知の
どのような"美しい瞬間"に立ち会えるのか
楽しみで仕方ありません。

ではここで言う
"美しさ"とは何なのだろう?
僕はどういった状態を
"美しい"と感じるのだろう?
とふと疑問に思うのですが、
単純にアート作品やスポーツ、
壮大な自然&景色、建造物、
人の思いに触れた時、
バイクというモノ、
言葉の表現などなど、、、
いろんな美しさがあるとは思いますが、
なんだかもっとその向こう側に宿るもの、、、
奥底に"本当の美しさ"ある気がして。

少し言語化してみましょうか。
それは、
「表面的には見えてこないのではないか説」
結果的に目に見える形で表れてくるものであって、
「これ美しいだろぉ?」「ドヤぁ」と
出そうと思って出るものではないのかなと。
そしてある程度時間の積み重ねというか
歴史を感じるのも美しさに必要なのかなと。
よく見る表面的な美への執着については、
女性の化粧などのアンチエイジング関連は
CM等でホントよく見ますよね。
シワのないキレイな白い美肌とか、
小顔、二重、アゴがシャープなどなど、
ファッションも然り、、、
他者に見られること、異性や同性を意識したり、
老化を防いだり、そういう視点での
容姿を綺麗に整えるという考え方も
"美しい"という表現に該当しますが、
僕が思うのは、それって"隠したり""飾ったり"する
美しさであって、もともとその人の持つ
"本当の美しさ"ではないなとも感じるわけです。
こんなこと書いといてなんですが、
恥ずかしながら僕も異性や同性を見る時って
多少なりとも容姿の"美しさ"は絶対に見てしまう。
でもそれは第一印象にしかならず、
(その第一印象こそが大事なのでしょうけども)
でもそこだけではその人を見ないように
自戒の意味も込めて書いてます。
他にも、スポーツ等に見られる
洗練されたハイパフォーマンスにも
練習の蓄積や、心躍る感動を感じますし、
そこにもまさに美しさは宿るとも強く思いますが、
僕がここで言いたい"美しさ"とは
少し違うぞという感覚がありますね。
あまりそういう非日常や特殊な世界、
つまりアドレナリンが出るような
ダイナミックさや刺激的な方向の
美しさでもないぞと。

僕が見い出そうとしているのは、
「日々の暮らしの中に宿るという考え方」
それはつまり、
おにぎりをたくさん握ってきた
おばあちゃんのシワシワの手だったり、
土作業をたくさんしてきた
おじいちゃんの土がこびりついた手だったり、
笑顔に出る目尻の笑いシワだったり、、、
どれも作為を感じないかつ、
パフォーマンスとして見せびらかす必要もなく、
お化粧などで隠す必要もない、
隠そうと思っても隠せない滲み出る"何か"
その人がどう生きてきたかの
"歴史を感じる所作の痕跡"のような、、、
バイクに乗り続けること、
本屋を営み続けること、
本を読み続けること、
考え続けること、
笑顔で暮らし続けること、、、

そうか、、、

「続ける」ということそのものに
"美しさ"が宿るということではないか、
という一つの結論が出てきました。
でも、
ただ生き続ける、
ただ働き続ける、
といった惰性の意味が入った
「ただ続ける」ということではなくて、
日々暮らしていく中で、
さまざまな選択や判断をしながら得た煌めき、、、
それは
シンプルに楽しかったり、
辛いけど面白かったり、
何かと出会ったり、
トキめいたり、
お腹いっぱいになったり、
満足したり、
目的とはズレるけど満足したり、
発見や気づきや閃きがあったり、
目的とはズレるけど発見や気づきに繋がったり、
などなど、それら感情の集合体。
それらの経験や体験の蓄積、世界観、佇まいが、
一人の人間からふとしたしぐさに滲み出たときの、
漂う"匂い"のような、記憶に残る何か、
「続く」ことで「残る」"何か"が
外面に感じ取れた瞬間、
「あぁ、美しい」と感じるのではないかと
今は考えるに至っています。
簡単に言えば、
「暮らしの中で、思いを込めて
し続けた物事の先に美しさが宿る」

のではないかとまとめてみました。

ただ、本当にそうなのかは
僕も仮説だし、
誰もわかりませんので、
自分の身をもって
検証するしかなさそうです。
果たして自分の身にも
"美しさ"は宿るものなのか?
なので細く長く、
この本屋を続けた先、
何かが見つかるかもしれませんし、
もしくはお客さんに何か
影響があるかもしれません。
たった一人のお客さんだとしても
もしその"美しさ"を感じ取れる瞬間が
表れたなら、この本屋を
開いた甲斐があるというもの。
本屋としてその場に立ち会えたなら
極上の幸せだと思います。

ここまで書いて、改めて
この本屋を絶対潰さずに続けようと
再認識した次第です。

あぁ、そうか、、、
僕もこのブログを考えながら
書いているので、少し驚いてます。
ふむふむ、なるほど、、、
なんだかしっくり自分の思いを
言語化できてきた気がします。
まぁどれだけ言葉を尽くしても
実際お店を続けるのは至難の業。
意思だけではどうにもならないこともあるし、
時代の波だってある。
この先どんな困難が待ち受けているのか、、、
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
ゆっくり確かに一歩ずつ歩んで参ります。

結局だいぶ長文になってしまいまして、
もうそろそろ締めたいと思います。

改めまして、
当店の思いをまとめますと、
コンセプト:「バイクと出逢うための本屋」
探求したい:「本とバイクが人に寄与する可能性」
個人の思い:「人の心が動く瞬間に立ち会いたい」
育てたい感性:「好奇心・主体性・リラックス」
根源テーマ:「美しさはどこに宿るのか?」

なんだ!?この本屋は!!
言語化したことで、自分でも
つくづく"変態"な店だなぁと思います。
しかもかなり壮大かつ強烈なテーマ、、、
どうか怖がらないで下さいませ笑
常日頃こんなに目が
血走っているわけではありませんので笑
そんなこだわり強い零細本屋ではありますが、
お気軽に末永くご利用頂けますと幸いです。
このブログを読んで
興味が惹かれますと尚幸いですし、
「本屋、ひらく」のほうも
どうぞよろしくお願いいたします。

お後がよろしいようで。
これだけの思い、
そりゃ当然「本屋、ひらく」
載せきれないでしょう笑

今回はこの辺で。
長文にお付き合い頂き、
ありがとうございました。

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