本コバブログ:書評「逆転美人」を読んで

「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の
店主がお送りするブログ。
略して“本コバブログ”。

GW最終日になんとか間に合いました。
久々の書評ブログの更新です。
"書評"なんて立派な言葉使ってますが、
ネタバレもないので、
ただの僕の備忘録と感想文ですw

今回紹介したいのは
藤崎 翔 著「逆転美人」
感想などを綴りたいと思います。
ネタバレなしで、
表面的になりすぎず語りすぎず、
ちょうどよいバランスを狙って、
この本が読みたくなるような
表現を心がけます。

この本のタイトルからして、
美人に生まれてしまったが故の
辛い人生の物語なのかなと
安易に想像していたわけです。
見事に裏切られましたが。

それでも美人ならでは苦労も
ふんだんに綴られているので、
人に対する想像力を培える
良本かと思います。
そういう視点もあるのかという
気づきの多い本でもあり、
シンプルに小説として、
紙の本として、
(この本は電子書籍では魅力半減)
いろんな魅力が詰まった今作。
もちろん
ミステリーとしても極上です🎵

一般的には男女問わず
容姿に恵まれた人は
"人生勝ち組"とも呼ばれ、
あまり苦労をせずラクに
社会を渡っていけるという
認識を持ってしまいがち。
実際、容姿きっかけで"人生勝ち組"に
当てはまる人も多いだろうと
僕も感じるところではあります。
この物語はその逆で、
美人に生まれてしまったが故に、
様々な苦労を強いられる
気の毒な女性が
引き起こす事件の物語。

それでは
まずあらすじから、

「私は報道されている通り、
美人に該当する人間です。
でもそれが私の人生に
不幸を招き続けているのです」
飛び抜けた美人であるせいで
不幸ばかりの人生を歩む
シングルマザーの香織(仮名)。
娘の学校の教師に襲われた事件が
報道されたのを機に、
手記『逆転美人』を出版したのだが、
それは社会を震撼させる大事件の
幕開けだった――。果たして
『逆転美人』の本当の意味とは!? 
ミステリー史に残る
伝説級超絶トリックに驚愕せよ!!

(双葉社サイトより引用)

とあります。
後半の煽り文句が
強すぎる気もしますが、
あらすじに関して言えば、
過不足なくかつ、
必要最小限にまとまっていると
思います。しかも実は
それ以上語っていけない
事情もありまして、、、。
ミステリーとして、
素晴らしいトリック本でもあるし、
ストーリーとしても
極上のミステリーが
込められているので、
豊かな読書体験&時間となること
間違いなしのオススメ本!
一本の映画を観ている感覚に近いかも。
映像をイメージしやすいのも魅力です。

ミステリーも僕は読みますが、
過去に例を見ないほどの
驚きが隠されていまして、
驚くと同時に、
共感や可哀想といった
感情の行き先がガラリと変わる
衝撃本でございます。
SNSでも簡単に書きましたが、
読後「よく頑張ったね」と
登場人物に心から伝えたくなる傑作。
シンプルに"面白い"本です。

この本から僕が感じる教訓としては、
容姿が恵まれているからといって
学びを怠るなということでしょうか。
貧乏という環境、
友人もおらず、
周囲の誰にも頼れず、
負のスパイラルに簡単に陥ってしまい、
どんどん心が蝕(むしば)まれていく、、、
自分では選べない環境が
大きく起因するものの、
やはり「このままではいけない」と
危機感を持って
社会と闘う"教養"を身につける方に
意志が向いていれば、
この物語のような事は
起こらなかったはずで、
フィクションではあるものの、
人がより幸せになれただろう
選択ができなかった人物たちを見て、
悔しい気持ちを僕は抱いてしまう。。。

作中では
美人に生まれたせいで不幸だという
描写が多くありますが、
実は、やはり、無意識下であっても、
本心では、美人であることへの"甘え"が
あったのではないか、というのが
僕の見解です。
常に誰か理解者を求めて、
そこに寄りかかろうとする時点で、
その容姿を武器に
しているともとれる、、、
本当に現状を打破しようと思うなら
自己嫌悪や危機感がないと、
自分の可能性は開けないんだろうなと、
考えさせられる小説でもありましたね。

今回はあまり長文にならずに
スッキリとこの本の魅力の
上澄みが紹介できたのかなぁと思います。
ストーリーだけじゃない魅力が詰まった
ミステリー小説「逆転美人」
ぜひ興味を持って頂けましたら幸いです。
当店でも扱っておりますので、
ぜひお試しあれ!

今回はこの辺で。
長文読んで頂き、ありがとうございました。

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