本コバブログ:書評「低空飛行 この国のかたちへ」を読んで

「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の
店主がお送りするブログ。
略して“本コバブログ”。

今回はデザイナー、原研哉さんによる
自身のブログを一冊の本にまとめた新刊、
「低空飛行 この国のかたちへ」を読んで
感想などを綴りたいと思います。
原研哉さんは、僕が学生の頃から
もちろん存じ上げている
デザイン業界の大先輩ですので、
とても書評なんて恐縮なのですが、
表面的になりすぎず語りすぎず、
ちょうどよいバランスを狙って、
この本が読みたくなるような
表現を心がけたいと思います。

業界人だけでなく、一般の方にも
ぜひ読んでいただきたい思考本となっています!

大変共感部分も多く、発見や気づき、
思考力が磨かれる本なのは言わずもがな。

原さんの視点で思考する
これからの日本の在り方、
世界へどう開いていくか、
日本の魅力をどこに設定するかなど、、、
そしてこれからの日本の危機感をも感じさせる、
一つ、日本を再発見する道標となるような
とても感性が培える本。
僕にとってまさに今求めていた本
と言っても過言ではないほど、
ドンピシャなテーマを携えた濃い内容。

この本は、そんなクリエイティブ味の濃い
エッセイ集となっています。


まずはあらすじから、

日本各地をみずからの足で歩く。
そしてデザイナーの目で、
さながら高い解像度をもって自然に迫る。
そこに発見されたのは、
世界に開かれるべき日本の新たな価値である。
かならずしも成長が見込めない成熟の時代にあって、
自分たちの財産・資源となるのは
その風土にほかならない。
自身のウェブサイトブログ「低空飛行」を
加筆し書籍化。

(出版社サイトより引用)

目次も載せますと、

「わたしたち」のデザイン
目的地へ
第一章 低空飛行からの展望
「遊動」へ向かう世界
数字から考えてみる
観光資源は未来資源
工業化時代における「和」
「JAPAN HOUSE」の経験から
低空飛行―異次元の観光へ


このあらすじ&目次を読んで「なるほど!」と思うか
「なんだか小難しい話」と思うかで変わってくると思うが、
全く小難しいことはなく、むしろ大変読みやすい。
何なら目次の各サブタイトルこそ難しい表現となっていて、
実際の内容からは「へぇ〜」や「ふむふむ」が詰まってます。
ぜひこの本の内容に沿うように、
これからの日本のことを思考する時間を持つのに
最適な本となっていると僕は思う。
ぜひ最初の抵抗感を捨てて読んでみて頂きたい。

結局カギを握るのは、我々日本人おのおのの
思考力や感性と美意識。いいかげん、
SDGsやリニアモーターカーやスマートシティなど、
より速く多く効率化のための工業化だったり、
流行を追いかけたり、
短絡的なスローガンに振り回されたり、
欧米にやたら憧れたり、
お金をたくさんどう稼ぐかや、
商業的視点などなど、、、
そんな事ばかりに思考を費やしている場合ではないと
おのおのが気づくべきだ。
社会はそんな事に注力しているから疲弊するし、
肝心の人間そのものの
豊かな心の持続性が考えられていない。
文中に素敵な表現があったのでご紹介したい。
「世界はイノベーションのみで動くわけではない。
オーセンティシティすなわち過去から守られ続け、
未来においても、輝きを失わない価値もまた、
世界を動かす要因である。
たとえば地球そのもののように。」

皆さんはこの文から何を感じるだろうか。

僕の考えではあるけれど、
この本を読んでますます確信を持った。
何が美しいか」や「日本をどう美しく見せるか」に
自分なりの答えを出せるようになることにこそ、
持続性があり、日本が唯一無二の個性的な豊かな国として、
発展する重要なファクターなのではないだろうか。
そしてそれには、
改めて「日本らしさ」という価値を知る必要があるのと、
日本が昔から共存してきた「自然」というものへの
価値を見直すことも必要だと
一つ、大きなヒントを得ることができた。

また、
衣・食・住」が飽和してきた現代に、
さらに四番目となる要素は何かを話す
くだりがあるのだが、
それは「」ではないかと、
移動への憧れと移動の豊かな時間を
提供することに日本再発見と再発展の
重要な要素が隠されているのではないか
とも書かれていた。
僕は「なるほど!」と強く感じたし、
実に「ふむふむ」味の深い本である。
当然、僕の思考には「バイク」との
繋がりも考えられるわけで、
「バイクの未来の可能性」
光が見えた気がしている。

普段「こんな事考えたこともない!」
って言う人も多いかと思いますので、
「???」となるかもしれません。
それでも、どんな人にも少なからず
持っているはずの「美しさを感じる心」に
少しテコ入れしてみたり、感性を
更新するためのトレーニングにも
なりうる教養深い本でもあります。

小説のような一つの物語でもないし、
感性を使った内容の本のため、
どう切り取っても人によって
感じ方がバラけるような本。
どうご紹介したものかと、悩みながら
文字を綴っておりますが、
最後にもう一つ、
総まとめとなるような作中の文を
紹介させて頂き、
この本に込められたメッセージを
感じていただけたらと思います。
「日本には今一度、その風土と
千数百年ひとつの国であり続けた文化の
蓄積に冷静に向き合えばいい。
覇権のせめぎ合いで揺れる世界の人々が、
心穏やかに生と向き合えるような、
純粋な自然の贈与を満喫できる
場所になればいい。」


どうです?
ちょっとは読んでみたくなりませんか?
前後の文脈もありますので、
実際の内容はもっと濃厚で、
解像度は本当に高い。
ぜひとも世界も見据えた上での
日本のその魅力や未来と
向き合ってみてはいかがでしょうか。

今回はこの辺で。
長文読んで頂き、ありがとうございました。

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