本コバブログ:書評「官僚が学んだ究極の組織内サバイバル術」を読んで

「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の
店主がお送りするブログ。
略して“本コバブログ”。

今回は我らが静岡県掛川市市長、
久保田崇さんの新刊著書
「官僚が学んだ究極の組織内サバイバル術」を読んで
思ったことなどを綴りたいと思います。
サイン本を購入させて頂きましたよ!

小説ではなく、自己啓発本の類ですが、
ネタバレはなるべくなしで、
表面的になりすぎず語りすぎず、
僕の実体験も踏まえながら、
この本が読みたくなるような表現を心がけます。

まずこの本、あらゆる業界の組織に通ずると思います。
しかも官僚というガチガチで融通の利かない
日本で最もお役所組織の話なのだから、
他組織に置き換えれば、まだまだ動きやすいともとれる。
正直この本を僕が入社4年目までに出合っていたら、、、
会社員を続けるという選択肢もあったのではないかと思うほど。
まぁでも、脱サラしたことに後悔などあろうはずはなく、
暮らしは厳しいけれど、日々楽しくやりがいを感じています。

振り返ってみると、
僕が組織内にいた頃、いろんなハラスメントや理不尽、
やり場のないフラストレーションにストレスが溜まっていき、
自らを形成する「自分らしさ」や「何を成し遂げたいか」
といった個性やクリエイティブ、大義名分を見失う一方でした。
全部「仕方ない」でどこか片付けてしまい、
思考を放棄してしまう&諦めてしまう頻度が次第に増えている
ことに気づいて、このまま組織にいても成長に繋がらないと
見切りをつけたわけです。
不健全な疲れ方をしたくなかったというのもあります。
そして「自分らしさ」を取り戻すためと
自らの「バイクへの想い」を体現したいのと、
そして人の感性を培い育む「場所づくり」、
この3つの非効率かつアナログなクリエイティブとして
「本屋」を選択したわけでして。

少し脱線しましたが、暮らしの安定ぶりを言うなら
会社という組織内にいるに越したことはありません。
そこで自身の立ち回り方や、感情のコントロール、
表に出てこないプロジェクトの円滑な進め方など、
上手に自分と向き合い、守備を固めながら、
生き抜くサバイバル術をこの本は教えてくれます。
本の内容をこれから社会を担う若手が知ればかなり強い。
もちろん読んでいたとしても順風満帆に行くはずはなく、
心が折れることだってあるでしょう。
それでも捻れた折れ方をせず、修正点が把握しやすい、
そういう気づきをくれる本です。
結局一番大きい障害やストレスの元は間違いなく
「人間関係」だというのが主観ですが、
この本でも同様のことが書いてあり、
非常に共感の多い本でもありました。


前段長くなりましたが、簡単にあらすじを。

大人の事情うずまく霞が関で官僚として
奮闘してきた著者が、組織内での立ち居振る舞いに
悩むビジネスパーソンに向けておくる最強の仕事術。
上司、部下、やっかいな取引先に苦しむすべての人へ。
人を動かし、自分の目的を実現するための方法論とは。
(出版社サイトより引用)


小説ではないので、別段ドラマチックな盛り上がりの
ある話ではありません。ただ、久保田市長の経験談を
我々にわかる言葉で丁寧に綴ったハウツーというか、
心の在り方、処世術の本になります。
読めばなるほどとわかりやすいのですが、その濃い内容に
知るのと知らないのとでは大きく違う気がします。
ここまで言語化できている本はそう多くはないはず。

作中の文章のなかに
あらゆる業界でも言える
皆が抱えているだろうモヤモヤを
気持ちよく言い当てている文章を
見つけましたので、
少しご紹介させて下さい。


厚労省を含め霞ヶ関では、仕事が増え続ける一方で、
人員は減り、長時間労働が常態化しています。
長時間労働そのものの問題もありますが、
より本質的なつらさは、社会の役に立ちたい、
この国で暮らしている人たちの生活を少しでも
よくしたい、そのための政策をつくれるはずだという
思いで官僚になったのに、そういう実感が
持てずにいることです。
その作業が何の役に立っているかわからない、
あるいは後ろ向きな内容であるとき、
人の精神は病んでいきます。それに加えて、
パワハラ上司に心ない言葉をぶつけられたり、
人を人と思わないような扱いをされれば
耐えきれずに病んだり壊れたりするのは当たり前です。



ズバリ言い得ていると僕は感じました。
振り返ってみても「俺、何やってんだろ?」
と思う仕事が多くなってきていたのを
強く感じていたからこそ、
僕は会社を離れたわけです。

若手がどんどん辞めていき、
偉い人だらけの組織になっている
せいもあって、ますます風通しの悪い
悪循環組織の傾向がどの会社でも
少なからずあるかと思います。
かといって本にも書いてありましたが、
面倒な上司たちの“人”を変えようと
してはいけないこと、
正論だけで論破しようとしないこと、
そもそも変えられないことを理解しつつ、
自分がその人のキャラクターに合わせて
どう攻めていくかの算段を立てるほうが
自分が傷付かず、
よほど時間の上手な使い方だと気付かされます。
上手に立ち回れるか、先にメンタルがやられるかは
なかなかバランスの難しい闘いでもあるかと思います。
それでもこの思考術の本は少なからず役に立つはず。

若手が「この組織は自分と合わないから」とか理由で
また別の組織に転職したとて、
自分に合う組織と出合えることなんてほぼありません。
良い待遇を求めてならまだしも、人間関係においては
どの組織にも同じ悩みが付きまとうだけ。
辞める判断をする前に一度踏みとどまるのも
アリと思わせる、そんな本です。
ただ、会社に居続けることで自分が腐っていく
感覚が強くなってきたなら辞めるべきだし、
会社にとってもメリットがなくなるので、
居続けると返って邪魔だし迷惑がかかる。
そうやって我慢したままだと組織内で
邪魔者扱いされるだけになりかねません。
実際そういう人も多いと感じます。

完全に安定収入に胡座かいて何も生み出さない人。
何のためにその会社で働いてるか意欲を感じない人。
口ばかり達者でステータスゲームをしている人。
正論しか言わない人。褒めない人。
周りを絶対に認めない人。任せない人。
自らの正義が強すぎて話を聞かない人。
本当に、皆さんの性格は様々。
モチベーションの矛先も千差万別で、
熱い想いを持った人ほど潰されるのもわかります。
そしてまともな人にとっても居場所がないという。
組織内にいるというのは、仕事以外のところに
多くの脳のリソースを使わざるを得ない
極めて窮屈な場所だと痛感します。
多少のしたたかさや腹黒さも必要なのでしょう。
それが今の日本標準だと思って、
若手は社会勉強や踏み台と思って
4、5年はまず頑張ってみても良いかと思いますよ。

自分の経験と照らし合わせても
非常にシンクロ率の高い本でございます。
他にも語りたい部分は多くありますが、
すでにだいぶ長くなってしまったので、
今回はこの辺で。

市長の本だからというのを置いといても、
いろんな組織内に勤める全若手、そして、
掛川市民にぜひ読んで頂きたい名著です。

最後に
文体を見るに仕事柄もあるでしょうが、
久保田市長はだいぶリアリストな印象を受けました。
あまり空想をしなさそうな方かな?
キッチリカッチリしたその文体から
人柄を想像してみました。

掛川市民の感性を豊かに、タフに!
読んで頂き、ありがとうございました。

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