本コバブログ:僕が選ぶ三冊

「本と、珈琲と、ときどきバイク。」の
店主がお送りするブログ。
略して“本コバブログ”。

今回は「僕が選んだ三冊」と題して
僕が今までに読んで良かったと
心から思う三冊のご紹介をさせて下さい。
自己分析も兼ねて
ちょっと振り返ってみたいなと。
(読むのにかかる時間10分~15分程度)

のちのち各一冊ずつの書評は
より詳しく綴りたいとは思ってますが、
まずはこの三冊について
簡単にさらっていきます。

紹介したい三冊はこちら。

「瀬尾まいこ著 そして、バトンは渡された」
「三浦しをん著 舟を編む」
「高田郁(かおる)著 銀二貫」



こだわりの強い本屋をやっているだけに
皆さんは、さぞマニアックな本を
もってくるだろうとお思いでしょう。
バイク関連の本に違いないと
思った方も多いのではないでしょうか。

なんてことはありません。
普通のミーハーです笑

ただし!
「本屋大賞1位」だからとか
「泣ける!」「感動する!」とか
そういう感情の押し売りの
帯だったり肩書や装丁は嫌いでして、
なるべくフィルターをかけずに
純粋に僕が面白そうという視点で
手に取りました。
購入時、書店の棚から
目につきやすかったというのも
世の売れ筋の陳列だからなんでしょうが。
少なからずどうしても流行に
左右されざるを得ない自分を痛感しますね。

さて、
僕が好きな三冊をこう並べてみますと、
「家族の話」
「ものづくりの話」
「人情の話」
そして共通してるのは
「恋愛の話」「生き方の話」

そういうジャンルになるのかなと思います。
言語化してみれば、確かにどれも
僕が大変興味のあるテーマです。


以下、各本のあらすじです。

「瀬尾まいこ著 そして、バトンは渡された」
高校二年生の森宮優子。
生まれた時は水戸優子だった。
その後、田中優子となり、
泉ヶ原優子を経て、現在は森宮を名乗っている。
名付けた人物は近くにいないから、
どういう思いでつけられた名前かはわからない。
継父継母がころころ変わるが、
血の繋がっていない人ばかり。
「バトン」のようにして様々な
両親の元を渡り歩いた優子だが、
親との関係に悩むこともグレることもなく、
どこでも幸せだった。
そんな彼女とその周りの優しい話。
(出版社サイトより引用)

「三浦しをん著 舟を編む」
出版社の営業部員・馬締光也は、
言葉への鋭いセンスを買われ、
辞書編集部に引き抜かれた。
新しい辞書『大渡海』の完成に向け、
彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。
定年間近のベテラン編集者。
日本語研究に人生を捧げる老学者。
辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。
そして馬締がついに出会った運命の女性。
不器用な人々の思いが胸を打つ!
(出版社サイトより引用)

「高田郁(かおる)著 銀二貫」
大坂天満の寒天問屋和助は、
仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。
人はこれほど優しく、強くなれるのか?
一つの味と一つの恋を追い求めた若者の運命は?
(出版社サイトより引用)


あらすじを読んで
「面白そう!」となりますでしょうか。

僕の視点で言葉を足すならば、

「瀬尾まいこ著 そして、バトンは渡された」
家族の在り方って、血の繋がりが
全てではないと気づかされる。
逆に血の繋がりには勝てないとも気づかされる。
確かにころころと変わるどの親も
親としての資質は持ち合わせていない。
それでも主人公は自分の感情と上手に付き合い、
物事への折り合いをつけながら、
冷静に現実と人を見つめ、愛を探す。
血の繋がった「お父さん」と育ての「父親」
どっちが良いか悪いかの話ではなく、
どちらも同じ人間であって、
人と深い絆を結ぶには年月と覚悟と会話が
必要だと感じずにはいられない。
その先に報われたかどうかは
ぜひ読んでみて頂きたいし、
本のタイトルの意味が消化&昇華されていく
感覚がこの本の本当の醍醐味かもしれない。
と思いました。
読みやすい割に、表面的になり過ぎず、
素敵な感情表現が並べられています。

「三浦しをん著 舟を編む」
本作では辞書をつくるという
ものづくり側の話だが、これは
あらゆるモノづくりに共通する話。
モノづくりだけに留まらず、
スポーツなどにも通ずると思う。
モノづくりには感性を使うことが多いぶん
言語をないがしろにしがちだが、
作品を読むと言語化の大切さを感じる。
感覚の話を言語化できる人は強い。
何事も高みに行く人は必ず言語化できる人。
そしてモノづくりをする人は独特の人が多い。
これは美大出身かつデザイン畑だった
僕が身をもって実感してきたこと。
もちろん僕自身も変わり者です笑
何かが人よりも敏感で感度が優れている人は、
逆にそれ以外は人並み以下だったりするもの。
そんな不器用な一人の人間が何かを成し遂げるため
真面目に、素直に、粛々と、時に大胆に
掴もうともがく。その人生の一端を
この小説で感じることができる、
自身の人生観を見直せる一冊。
だと思いました。
文体の表現力もお見事。

「高田郁(かおる)著 銀二貫」
時代ものです。銀二貫で買われた
主人公の生き様を描く物語ですが、
人と人との繋がり、絆、想い、
これらが色濃く感じられる作品。
とても日本的でかつ、日本的な“良さ”を
全身で浴びることができる。
ものづくりや商売における描写も多く、
他二作品との対比や共通点も感じられ、
不便で理不尽なことばかりだけど、
人が人らしく生きる豊かさや
その根本欲求が描かれているが故に
目に見えない大事なものや心を感じ、
それと向き合う大切さを教えてくれる。
センスが磨かれる、
とても大事にしたい本だと思いました。


“バイクと出逢うための本屋”を謳っている
当店がバイクが出てこない本を推すとは、、、
ただ、この三冊は、
バイクに乗る乗らない以前に
「自分の軸」をつくる上で
最良の本たちだと僕の心が言っています。
そしてこれらの本を読むことで、
バイクと出逢えたのなら、
人の気持ちに寄り添えたり、
無茶でヤンチャな運転はしないだろうし、
素敵なライダーに繋がる気がしています。
これからのライダーの新しい可能性を感じます。
素敵な出逢いのきっかけになれたら
と願ってやみません。


どうでしょうか。
さらに興味が湧いてきますかね?
それとも逆に萎えますかね。

改めて言葉に起こしてみたら
さらに気づいたことがありました。

三冊どの物語も「自分の居場所を
築き上げていく話」とも思いました。
作品の中では彼ら彼女らの人生は
これからも続いていくわけで、
作品ではその一端を垣間見たに過ぎません。
でも各物語で描かれる話には必ず
「救い」というか「報われる」
瞬間があります。

これがマ・ジ・で大事だと思いました。
「誰に何を言われるか」は超重要で、
その言葉を通して改めて自分がここにいても
いいという実感を得るのだと思います。
前を向くきっかけにもなりうる。

現代に不足しているのはまさにそれ。
人の居場所や憩いの場所、
自分の存在を認めてくれる場所が少なすぎる。
寄り添う人・言葉・場所が欠落した物事が多い。

だから人は不健全に疲弊するのだと思います。

この三冊はそんな心に潤いを与えてくれるはず。
僕の主観だらけにも関わらず、
自信を持ってオススメできる三冊だと思っています。
当店で常備している本でもあり、貸出も可能です。

以上が、
僕がまずオススメしたい大事な三冊でした。


長くなりましたが、今回はこの辺で。
読んでいただきありがとうございました。

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